お世話になった近在寺院の老僧が亡くなられた。
いつ寺を訪ねても掃除をされていたお姿があった。
亡くなられる直前に校了した師の随筆集の中に
「掃除と草引きに追われる日々である。
寺の小僧になってから六十年、
ただひたすら延々と続けた掃除人生といえる。」
という文章で始まる随筆がある。
修行時代に京都・法然院で目にされた
「一掃除 二勤行とや 落ち葉はく」の衝立の句が紹介され
「掃除人生」を振り返られている。
この12月で七回忌を迎える当山先々代も「掃除の人」であった。
小さい体をまるめ、黙々と草を引いておられた姿が今でも忘れられない。
二人のお師匠に少しでも近づけるように
これからも掃除を続けようと思う。
合掌